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国芳 乳のみ子 jpskunisada44

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国芳 乳のみ子

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国芳 乳のみ子
団扇絵 22.3×28.4 cm
落款:一勇粛國芳画 板元:伊場屋仙三郎 名主単印
 洗い髪を杭く美人と、彼女の乳房をまさぐり、口に含む無心の幼児とのほほえましい母子像が鏡面に映る姿を意図して、国芳はこの図を作っています。やや丸味を帯びた、肉づきのよい美人の顔だちは、弘化期特有の様式で、どことなく明朗感を催します。ベロ藍という強い絵の具を用いて摺り出した藍絞りの浴衣が、鏡と枠の間にあてがった紅絞りの模様と美しく映発して、あざやかな印象を党えさせる。そして何よりも団扇という特殊形の画面内に、しっくりと納めた構図の妙に感じさせられます。
 ただこの美人と幼児の組み合わせのポーズは、明らかに歌麿の著名作「鮑取り」の中央の一図からヒントをえています。幼児の顔などそっくりです。しかし歌麿の理想美タイプに対し、国芳は現実味を吹き込みました。濡れ髪のほつれ、特に毛先が水を含んで丸まった形状など歌麿には見られぬところで、髪に残る水気が如実に感じとられます。描いた国芳の筆も練達ですが、彫り上げた彫師の腕の微妙さは特筆する必要があります。
歌川 国貞 Utagawa Kunisada

Wikipedia Kunisada

ウィキペディア 歌川国貞 (3代目)

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