雪中若衆の訪れ 湖竜斎
柱絵判錦絵66.6X11.7cm
落款:湖龍府画 板元:不明
所蔵:シカゴ美術館
浮世絵版画の数ある判式のうちでも特殊な柱絵判は、丈長奉書を横に四分した大きさで、極度に竪長のサイズをとります。
これを掛物に仕立てて柱にかけ、室内の装飾にも用いられましたから、当時は「柱かくしの絵」とか、「柱かけ」と呼ばれて親しまれましました。この柱絵をもっとも数多くてがけ、優品も多いのが湖竜斎です。竪長の画面は、おのずと構図に特別の工夫を要します。ここにあげた湖竜斎の作品を見ますと、この課題を無理なく自然に解決していることが分かるでしょう。
黒合羽の若衆が雪の中に鮮かに浮かび、雪をまだらに残す傘の、変化に富む色摺りが美しいです。
鈴木 春信 Suzuki Harunobu