拙宗等揚筆 杜子美臂鷹図 策彦周良后賛 せっそうとうようひつ としびひじたかず Sesso Toyo wrote. Toshibi elbow hawk image. 雪舟 Sesshu
紙本墨画 一幅 17.6×18.0cm
図上の策彦周良の賛文にもあるように、蒼鷹黄犬をしたがえた杜子美が驢馬にのる図てある。普通の杜子美とは異なった図柄を選んて描くということも、等揚がいままての図柄を嫌い、他と異ったものを描かんとしたことのあらわれてある。この賛詞を書した策彦川良はもちろんこの筆者等揚とは時代を異にする人物てあるが、その名声は早くから知れていたばかりか、天龍寺塔頭妙智院にいた僧てあり、大内氏のために天文年間二度にわたって入明使節となっている。とにかく大内氏との関係から雪舟のことは直接逢ったことはなくともよく知っていた。そのためこの図については、後になって追加賛としたものてあろうが、賛と画の内容とがよく合致している点も注目しなければならない。図は簡略な筆法てまとめられているが、その筆勢には鋭いものがあり、小品の中にきわめて整備されたものとなって、文人的趣味のあらわれがある。この種の故事に起因したものを図取りする彼の着想を明らかにするものてある。落款はない。
Sesshu 雪舟