東海道程ケ谷 とうかいどうほどがや Hodogaya on the Tokaido.
現在の神奈川県横浜市保土ケ谷区岩井町を描いたもので、東海道の宿場としても有名な保土ヶ谷を描いたこの作品は、富士を眺めながら東海道を旅する楽しさを教えてくれます。松並木を透かして見える富士、そこを行き交う人々。江戸の人の生き生きとした様子が、北斎の絶妙な筆使いによって描かれています。また、本作は、フランス印象派の画家モネの名作「ポプラ並木」に影響を与えたことでも有名です。
この作品は、二本ずつの松が四組・計八本立っています。そこから覗く富士の絵組みは、富士神霊の在りどころを示す、馬子が富士に視線を送り、富士と東海道保土ヶ谷(品野坂)とを結びつけています。こうして、浮世絵を見る者は、道中、富士との一体感を持つことができると思うのです。
葛飾 北斎 Hokusai Katsushika