検索
Close this search box.

市川団十郎の竹抜き五郎 清倍 jpsmoronobu28

Share This Post

市川団十郎の竹抜き五郎 清倍

ライン

市川団十郎の竹抜き五郎 清倍
大々判丹絵 54.ニ×三ニ・二cm
落軟:鳥居氏清倍図板元い伊賀屋勘右衛門
所蔵:東京国立博物館
 清倍落款の横大判の絵に「竹ぬきの図」があります。それは中央が竹に虎で、左が五郎、右は二十四孝の孟宗という竹にちなむ三図様のコンブリケイトしたもので、奇想をねらっての作出でしょう。その点、芸術的なものとは言えません。奥村政信も描き、またその他作例もある竹ぬき五郎で、最も優秀なのは初代清倍の描く大々判丹絵のこの図であります。若井兼三郎氏の扱いで海外に出たものが、ペペール・コレタションから松方、さらに東京国立博物館の保管となっているこの一作は、「象引」や「暫」と同様に今のところ他には伝わらないようであります。本紙は多少くすみすぎてはいますが、鮮かに全身丹の彩色となっており、清倍独往の誇張描線で三升の定紋うった衣の双肌ぬぎ、怪力無双の竹抜きであります。鳥居流の瓢箪足、力こぶ隆々とした双腕、むき出た眼晴、こうした手法は清倍の開発でしょう。熊笹と笥の貧相さは、画者がちがうかと思われるほどに奇態であります。
鳥居清倍 Torii Kiyomasu

ウィキペディア 鳥居清倍

More To Explore