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国芳 相馬の古内裏 jpskunisada38

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国芳 相馬の古内裏

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国芳 相馬の古内裏
大判錦絵 三枚続 左37.4×25.1 cm
落款:一勇斉國芳画 板元:山八 名主単印
 種々の解釈や想像説がこの図に付されていますが、国芳の発想および取材源は、明らかに山東京伝作・初代歌川豊国画の読本『善知安方忠義伝』(文化四)挿絵の数場面です。天慶の乱に誄されたf将門の遺児滝夜叉姫が、亡父の遺構、下総猿島の相馬の古御所に龍もり、妖術を修得して謀叛の将兵を集める企てを、智勇の士大宅太郎光国が挫く筋立で、その古内裏の場面には、破れ御簾、属難の乱戦などが描出されています。弘化頃からしだいに増大する国芳の奔放な想像力は、この幻妖味濃い題材にヒントを得て、三枚続きというワイドスクリーン形画面一杯に跨がる大爛難の怪へ発展させ、その奇想は兄る者を瞳目させる。しかし荒唐無稽に見えるこの屑雌の姿には、意外に西洋解剖学書を参照したらしい正確な描写を見出し、却てその斬新さに驚かされます。前面の歌舞伎がかったポーズの人物たちと対比して、その精緻な自然科学的な取り扱いが、さらに冴えて感じられてくる不思議な作品です。
歌川 国貞 Utagawa Kunisada

Wikipedia Kunisada

ウィキペディア 歌川国貞 (3代目)

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