東海道五拾三次之内34番目 吉田宿 よしだ Tokaido53_34_Yoshida 画題:「豊川の橋」 現在の愛知県豊橋市で、二川宿から6.1キロメートルで吉田の七万石の城下町へ入る。
吉田は、今の豊橋である。右手前に吉田城を描き、いま修繕中である。
左手に豊川にかかる豊橋橋が見える。城の足場から職人が小手をかざして、その橋の方を眺めている姿が面白い。この天守閣を見ると、大阪落城の時、逃れた家康の孫娘千姫の昔話が思われる。城と橋梁の機構美を悠々と流れる豊川の藍がつないで、その美しさを増している。 遠く見える山は、鳳来寺山であろうか。今も信仰の絶えない豊川稲荷は、この川の上にある。
歌川 広重 Hiroshige Utagawa