役者絵 春章
細判錦絵 五枚続 33図32.0×13.0 cm 34図32.2×15.0 cm 35図32.2×15.0 cm 36図32.0×14.8 cm 37図32.0×13.0 cm
落款:春章画 板元:不明
所蔵:ベルリン国立図書館
初代中村里好の揚巻 /初代尾上松肋の門兵衛 /初代中村仲蔵の意休 /五代市川団十郎の助六 /三代沢村宗十郎の白酒売(「肋六曲輪名取草」(三浦皇店先の場)天明二年五月中村座)
山川白酒の樽を左隅に添え、半格子の窓をバックに、中央に仲蔵の意休、五代団十郎の助六をはさんで左に宗十郎の白酒売、右に松助の門兵衛をはさんで里好の揚巻太夫という勢揃い、細判五枚梗きの完結した遺例です。この「三浦屋店先の場」もまた、江戸っ子の血を沸かせ肉おどらせた当たり芸の一つでした。このうち中村里好はもと松江といい、安永二年俳名里好を転用して役者名につかいましたが、天明六年に四十五歳で没しています。春章は好んで彼を描きました。
勝川春章 Katsukawa Syunsho